吹田市、摂津市、北摂エリアで耐震等級3+制振工法を採用した新築注文住宅をご提案しているオギ建設スタッフです。
皆様は万博へは行かれましたか?
最近、お客様との会話の中で「万博、何度か行ったよ」というお話をよく耳にするようになりました。そんな中で話題になるのが、万博のシンボルでもある「大屋根リング」。
実際に訪れた方からは、その圧倒的な大きさや独特の雰囲気に感動したという声が多く聞かれます。
そして、驚くべきはその大屋根リングに使われている木材の約7割が国産材であるということ。あの巨大な構造体の7割を国産で賄ったというのは、本当に素晴らしいことですし、万博関係者はもちろんのこと、日本の木の業界全体の努力の賜物だと感じています。
国産木材をふんだんに使った象徴的な建築。あの大きな木の構造体に触れたとき、私たちは自然の温もりや力強さ、そして人と木との深いつながりを改めて感じます。
私たち工務店の仕事も、木と共にあります。そして今、「持続可能なかいはつのための教育/木と共に育つ」子どもたちの教育木育(もくいく)」が注目されています。
今回は、木育の意味や研究事例を通じて、木のある子育ての価値をお伝えします。
「木育」は平成16年から北海道で始まった取り組みであり、教育的な効果が研究されていますが、まだ一般的な概念とは言えないかもしれません。
木育とは?
「木育」とは、木に親しみ、木を活かし、木と共に生きることの大切さを学ぶ教育のことです。具体的に木に触れることで、子どもたちの成長に以下のような良い影響があると言われています。
・感性が育つ(木のあたたかさ、香り、手触りといった五感を通じた経験)
・想像力が広がる(木を使った自由な遊びや表現活動)
・主体性が育つ(自分で考え、手を動かす体験)
これらは、子どもたちが成長していく上で非常に重要な土台となるそうです。
特別なことをしなくても、私たちの身の回りには木育のヒントがたくさんあります。
例えば、公園でドングリを拾う体験。そのドングリが、実はフローリングに使われることもあるナラやオークといった木の仲間であることを知るだけでも、木への興味が深まります。
家で過ごす時間は、大人以上に子どもにとって長いものです。言葉だけでは伝えきれない何かを伝えるのに、木の存在は最適な役割を果たすかもしれません。
保育・教育現場での木育
全国の保育園や幼稚園では、木育が積極的に取り入れられています。
木のブロックや丸太の椅子、木工などの五感を使った遊びを通して、子どもたちは自然と木に触れる機会を増やしています。
非認知能力は、子どもたちの将来にとって非常に重要です。実際に、保育士の方々からは「木のある環境で、子どもたちが落ち着いて活動している」という声が多く聞かれるのだそうです。
「子どものすこやかな発達と木育効果の可能性」
ある保育園で行われた「木育プログラム」では、子どもたちに木のおもちゃや道具を使った自由遊びを2時間実施しました。その結果、子どもたちの表情が豊かになり、笑顔や発話が増加。親子の関係も深まり、アイコンタクトや関わりが活発化しました。子ども自身も、色彩・構成・表現の幅が広がるという変化が見られ、感情面・運動面・社会性の発達が促されたことが実証されています。
https://cir.nii.ac.jp/crid/1523106604858094080
https://www.hws-kyokai.or.jp/paper/120-2016-02-15-03-07-32/992-201201-4.html
「子どものすこやかな発達と木育効果の可能性」
研究からもわかるように、木に触れる体験は、子どもたちの心身の発達に木に触れる体験は、子どもたちの心身の発達に多くの良い影響を与えることが期待できそうです。
また、木育は、乳幼児教育におけるESD(Education for Sustainable Development)、つまり持続可能な開発のための教育とも非常に相性が良いとされています。
家づくりと木育
家づくりは、子どもたちが木と触れ合い、その価値を学ぶ「木育」にとって絶好の機会です。例えば、建築の途中である上棟の際に、家の骨格となる木の構造に直接触れる体験は、子どもたちにとって忘れられない貴重な記憶となるでしょう。そして家が完成した後も、日常的に木の温もりを感じられるよう、床や壁、建具など、見える場所に木を取り入れたインテリアで仕上げることをお勧めします。
大屋根リングで伝えようとした木の文化は、日本の暮らしの根幹にありました。そしてこれからも、木を大切にする心が、子どもたちの心を豊かに育てていくはずです。
私たちオギ建設も、住宅を通して木の温もりを伝えながら、地域と家庭に寄り添う存在でありたいと願っています。