先日wallstatが大幅なUPグレードをなされたと聞き、ダウンロードしてみました。
wallstatとは京都大学生存圏研究所、国土交通省国土技術政策総合研究所、国立研究開発法人建築研究所、東京大学大学院での開発者の研究成果を元に製作された木造軸組構法住宅を対象とする数値解析ソフトウェアのことです。
E-ディフェンスなど実際の地震を想定した振動台の上に実際の住宅を建て、揺らす動画などを見たことのある方も多いのではないでしょうか?
これらの実験をシミュレーション上でやってしまおうというのが、このwallstatです。
損傷具合が色でわかる。実際に建つ自分たちの間取りでシミュレーションできるなど多くのメリットがあり、耐震性の見える化に大きな期待を持たれているソフトウェアです。
この記事ではこのwallstatを利用して地震に強い家を考えていこうと思います。
まだまだwallstatの利用方法を勉強中で拙いところも多いと思いますが、ご了承ください。
wallstatの精度のわかる動画
長期優良木造3階建てが「想定通り」倒壊|日経BP社 ケンプラッツ.mpg
3 story wooden houses, collapsing process simulation, BSL160%, wallstat movie
上はE-ディフェンスで実際に振動台で地震想定した動画
下はwallstatでシミュレーションをした動画
どうでしょう?
壊れ始める場所や倒れるタイミングまでぴったり。
ちなみに構造塾の佐藤先生が上の動画に対して長期優良住宅ではなくどちらも耐震等級2で土台の接合部の強さを変えた場合の実験だと仰ってます。
wallstatを使った実験① モデル:柱だけ
今回wallstatで実験するお家は約60㎡(1F 29.81㎡ 2F 29.81㎡)と小さなお家。
この小さなお家『モデル:柱だけ』に阪神淡路大震災が襲ったらと言うシミュレーションです。
wallstatを使った実験② 柱+筋交い
地震発生後、大きな揺れが来たと途端に筋交いが赤色(破壊)されてしまい、耐震性がなくなってしまい壊れてしまいました。
一般診断 壁量検討結果
保有する耐力(kN) / 必要耐力(kN)
1層X方向:19.946 / 24.744 = 0.806
1層Y方向:14.122 / 24.744 = 0.571
2層X方向:18.575 / 11.030 = 1.684
2層Y方向:12.751 / 11.030 = 1.156
1階部分が=1を満たしていないですね。
2000年以降、強化版新耐震基準に適合していません。
これぐらいの性能のお家も古いお家ならあるかもしれませんね。
wallstatを使った実験③ 柱+モノコック工法
筋交いを無くして、外壁側に耐力壁として(構造用合板)をはったモデル
崩れずに家族の命を守れました。
お家をぐるっと耐力壁でかこむモノコック工法がすごく強いということを知れました。スーパーウォールが地震に強いのもわかりますね。
4-1 wallstatを使って地震に強いを家を考える 制震 有・無
最後に、制震についてもすこし追加してみました。
SW工法での制震工法はwallstatの中になかったので制震ダンパータイプを使ってみました。
SW工法では制震ダンパータイプを使用することがないため、設置方法があっているか、ちょっと不安ですが、お家を損傷を抑える性能があるということは確認できました。
万が一の大地震が来ても、家の中にいるのが安心。
そんな耐震力を当たり前にするお家はつくれそうです。
地震を心配される方は地震シミュレーションで安心してほしい。
今後多くの建物の図面を書いて、地震に強い家であることをシミュレーションを通して知っていただけるようwallstatを活用していきたいと思います。
ぜひ、地震に不安で地震に強い家をお探しの方は、お気軽にご相談いただけましたらと思います。
オギ建設では「万が一の大地震が来ても、家の中にいるのが安心。」
と言えよう耐震等級3+制震工法を標準仕様にしています。